2005年12月25日(日) 於千葉市美術館さや堂ホール

天気は快晴で室内気温も上々。うってつけのコンサート日和でした。
お客様の入りもまずまずで演奏者も気合が入ります。

チラシ
パンフレット原稿




































オープニング:A.ストリッジョ 「狩り」 MP3

 オープニングはこの曲に決まっています。当初はプログラムの中に入れようかと考えましたが、バッハ2曲を枠にしたかったので外に出しました。とにかく何の断りもなしにいきなりやっちゃうことにしました。お客さんも「アレッ、始まったの?」とちょっとびっくりしたかもしれません。
 オープニングにはこちらの緊張をほぐす意味合いもありました。特にbassocontiは「上がり魔」なので必需品です。ところが本番では彼は平常だったのに吹き始めのmonitorgoldの方が緊張しまくっていたのかテンポが速い速い。いささか面食らって知足庵は少し出遅れました。
             
      monitorgold

いつも間違える箇所の新規開拓に努めているのですが、本番では控えたようです。写真を見ていくと大体真ん中辺に座ってますな。今度はもう少し向かって左に寄らないかなぁ。
1. J.S.バッハ カンタータ第182番 MP3

 bassocontiは最初の「ソナタ」ではアルトを吹いていますが、2,3曲目はFバス。ソプラニーノから楽器が勢揃いするので写真はそっちを取りました。譜面台がたてに二つ並んでいるのはアルトを吹いた名残です。
 ソナタはfugueと知足庵のデュエットなのですが、練習ではユニゾンの音がなかなか合わなくて困り果てておりました。本番では大過なく済んでよかったよかった。
 前半唯一のご隠居参加曲で普段より緊張気味だったかも。
        ご隠居

エオリアンの大黒柱の健在ぶりを発揮しました。リハーサルでは怪しかった2曲目の中間部の入りに出遅れることもなく「本番に強い!」回りのテンポが速くならないように事前の根回しも万全でした。
2. T.トムキンズ 「バラフォストゥスの夢」 MP3


 今回カンマー・トーンの楽器を使ったのはオープニングとこの曲だけ。楽器が冷えていたので始まりと終わりでは随分ピッチが違ってしまいました。
 練習開始時点から出来るかどうかあやぶまれていた曲で結局リハーサル段階でも万全からはほど遠い状態で本番突入となりました(これでいいのだろうか?)。
 変奏ごとに一呼吸おいてテンポを作り直すことにしましたが、ホールの残響が多いのでさほどブツブツに切れる感じにならなかったのは幸いでした。でも出来栄えの方は少し慌て気味。このホールならもっとゆっくりで良かったか。ウーム再挑戦かなぁ。
        fugue

結局全曲の最高音楽器をやったので一番大きな楽器がテノールだった。ややこしいことばかり押し付けられているので誤魔化すテクにも長けたか? 全曲出るのは辛いとこぼしてましたが、「寝る」間を与えない作戦だったりして。
3. J.ハンドル−ガルス
   「神は昇りたまえり」「明星の出る前に」
 MP3

選曲に当たってここの場所に何を置くかが最後まで難航してしまいました。プログラムを見ればお分かりの通り、エオリアンの選曲基準は「やりたい曲」だけで知名度は全く考慮する気がない。それにハンドルは編成が面白いという特徴があるので候補に挙がり、1曲では短すぎるので2曲セットということで決まりました。音が密集しているので録音を聞いてもなにやらモヤモヤ感がありますな。まずまずの出来だと思います。
       pikkoro

今回はなんとバス一本槍で通してしまった。よく考えると珍しいエキスパートかもしれない。最後の和音で音が遅れて出てくるのがご愛嬌。これからは小さい楽器にも挑戦か? アルトもテノールも使わにゃぁいかんよ。
4. O.ラッソ 「我生きて岩場より戻りなば」 MP3

 前半の締めくくりの曲。きららで一度やったので再挑戦曲です。題名からしてなにやら寂しげですが、選曲基準の中に「クリスマスだから」はないので(たまたま日曜と当たっただけだし)満場一致で決まり。西洋の抹香臭い曲をやりたがる割りにこの種のことには無頓着な集団です。
 前半ずっと司会業ばかりだったKQさんもここで晴れて演奏に参加。途中で「独走」性も発揮してくれました。
 他の曲もそうですが、締めくくりの和音がどれも妙にうまくいってしまい、終わった後の残響が心地よかった。ご機嫌ご機嫌。
      KQさん

司会進行を全部担当してくれた我らのもう一人の大黒柱。膨大な資料を消化した上で丁寧な解説をしてもらいました。休む間がなかったので楽器を暖めるのに相当苦労があった様子。暮れにカンマー・アルトを入手。やる気満々です。
5. H.シュッツ 「天は神の栄光を顕し」 MP3

 休憩は15分取りました。温かい飲み物も用意したかったのですが、ポットやらなにやら厄介そうだったので冷たいもので済ましてしまいました。私達もコーヒーがないと辛いので次回はなんとかせねば。
 後半の開始はこの曲から。一昨年のきららではmonitorgoldが負傷で参加できず、昨年の片桐邸では途中で大事故をやらかしてしまい、不完全燃焼のままになっていたので今度こそと3度目の挑戦です。なんとか大過なくいっているのですが、細部がイマイチ。4度目も視野に入れねばいかんかなぁ。
      知足庵

KQさんに「窒息庵」という裏の名前を暴露されてしまい、おかげで最後の協奏曲はその通りになりました。今回はあちこちでポカが多かったのでこれからはテノールあたりに潜りたいと目論んでいます。
6.J.P.スウェーリンク 「我が若かりし時は過ぎ」 MP3

 みんな題名に現実味がありすぎる年になってしまいました。今回唯一の8フィート曲。8年間も練習したのに曲が見え始めたのはつい最近というのは遅すぎはしないか? とはいえ、これほどの名曲は何度やっても飽きない。それなのに知足庵が途中でスカをやったのはなんでだ?(当人にも分かりません)
 余分な譜面台が出っ放しになってますが、気にしないでください。椅子も6脚揃えておいて人数に関わりなくそのままにしてあります。丁度嵌め木と石の境目になってしまい、かつ背後にマイク・スタンドが迫っているので調整に手間がかかるせいです。
 
      bassoconti

自作のFバスの紹介はもういいよと言ってましたが、KQさんは見逃してくれませんでした。他に吹き手がいないので今回はやりすぎたのか最後の協奏曲ではへばったと言ってましたが、今年こそ吹き手を育てないと逃れられないよ。
7. J.エッカールト 「ザンニとマニフィコ」 MP3

 さすがのKQさんもこの曲の説明には苦慮していました。エッカールトって誰? ザンニ、マニフィコ、何者? コメディア・デラルテ? 各パートに役が割り振られていて歌詞が全部違うの? これをまとめて説明するのはまず無理としたもの。
 5声の曲ですが、定旋律を知足庵とbassocontiがオクターヴ重ねにして強調しました。これがヒロインのFranceschinaで「可愛い子、陽気な子…」と歌ってます。ウーム、ミスキャスト過ぎる。でも、pikkoroがTedesco(ドイツ人の居候)ってのも随分外れてるか。fugueとKQさんがZanni(アルルカン)でmonitorgoldがMagnifico(旦那)は合ってるかも?(ホントかい)
司会進行に奮闘中のKQさん。途中でメモが混乱して探したりしてるところが微笑ましい。教え子が沢山来てくれて相当緊張しまくっている様子でした。身内は「一回ずつオチを付けて」とか勝手な要望を出してましたし。
8.J.S.バッハ 4台のチェンバロのための協奏曲 MP3

 中央に低音部を置いたのはリハーサルの時にあまりにも残響が多すぎてまとまりそうもなかったからです。とにかくバスとテノールに合わせて乗るという方針でした。実際、端と端では音の誤差が出ます。本番ではお客様のおかげで大分楽になりましたが、もう少しテンポを落とせばよかったみたいですね。録音を聴くとやっているときの感じより細かい音符がうまくかみ合っていないんです。
 知足庵は2楽章で息継ぎに失敗して大変な騒ぎでした。編曲した当人は誰にも苦情が言えないのです。monitorgoldはテノールがきつ過ぎると申しておりましたが、それは知足庵の「愛のむち」です。
 例によって最後の和音はビタッと合って一同内心「終わったぁ」と叫んでおりました(多分)。
 
 協奏曲の演奏中に瞑想するご隠居(寝ているのではありません)。柱の陰に座って曲を聴きながらリズムを取っておりました。結構、こういう雰囲気が決まるんですよ、この方は。
アンコール:G.F.ヘンデル 「シバの女王の入場」 MP3

 客席は正面と左右いずれも40席位に配列しました。椅子の色が4色あるのでなるべくブロック毎に一色に統一して配置しましたが、これが中々大変で一時間位かかりました。それに肉声はスピーカーを使わないと拡散してほとんど聞き取れなくなるので2台設置しました(右端に座っているじゃんぼさん、ありがとうございました)。それでもまだ不十分だったらしく、今後はもう少し工夫がいりそうです。
 アンコールはなんか無理やりやっちゃった感じでしたが、花束も頂戴しましたし、許していただけるでしょう。それっぽく賑やかムードの曲にしたのですが、プログラムが完結したせいか肩の力が抜けていい感じです。最初からこう出来れば最善なんですけど…。
お客様には熱心に聴いていただけました。
   
   
盛大な拍手もいただきました。
   
                  
☆☆☆ 花束もらっちゃいました。 ☆☆☆

さや堂ホールはバロック様式の教会を彷彿とさせる空間です。豊富な残響は演奏のアラを隠してくれるのですが、テンポが速い曲は何をやっているのか分からなくなる問題もあります。次回はその点も踏まえて曲作りをしていかねばと思います。
    
以下は打ち上げの様子です。ここでも司会進行はやはりKQさん。教え子が沢山来てくれて嬉しそうでした。ということはfugue,bassoconti,知足庵の高校の先輩に後輩、monitorgoldの先輩ばかりなので半分は同窓会気分。加えてUSO爺さん、CONTRAさんも参加してくれたので大盛況でした。なんだかんだ言ってもこれが楽しい。



pikkoroはあいにく所用で早目に帰宅。

      
  
左手前の人物は知足庵の家内です。受付と宣伝をやってくれました。
     
    
♪♪♪ 皆様どうもありがとうございました!!! ♪♪♪

写真提供: ASANOさん(DVD制作)、じゃんぼさん(CD制作)
画面構成 文章作成 MP3編集:知足庵